武市賢太郎ブログ
映画「リリーのすべて」を鑑賞。
約100年前、世界で初めて性別適合手術をし、命を落としたデンマークの画家 リリー・エルベ の物語です。
とても素敵な映画でした。
とにかく演技が素晴らしい。男として普通に結婚しながらも、ストッキングを履いて足のモデルををした事がきっかけで、自分の中にある女性としての自分に少しづつ目覚めていく。そこで感じる戸惑いや喜び、そして恐怖などの感情表現を繊細に演じきったエディ・レッドメイン脱帽。
妻役のアリシア・ヴィキャンデルも、徐々に性同一性障害が表面化してくる旦那に対し、戸惑いや落胆を感じながらも 少しづつ受容し サポートしていく演技が秀逸。
展開もわかりやすく、ファッション的見地からも面白い。
自らの男性器を股に挟んで鏡の前でポージングする姿がとても印象的でした。
美容師をしていると、女性が「美」を追求する気持ちはわからなくもない。
性同一性障害というものがいったいどういう成り立ちなのかはわからないけれど、男性が「女性的な美」に憧れを感じる気持ちもわからなくもない。
自分の中の女性としての自分・・。
僕もどこかのスイッチを押されたら、目覚めてしまうのかな・・・?と考えさせられる映画でもありました。
今のところ、凡庸なヘテロセクシャルな僕には、トランスセクシャルの人の気持ちは本当の意味ではわからないのかもしれないけれど、少し人間理解が深まった気がする。
性別やジェンダーのコントラストは、日本でも時代とともに薄まってきている感じがするし、僕も一回ストッキングでも履いてみようかしら、ふふふ。 これまで僕が関わってきた人の中にも何人かいたから、とても興味深い内容でした。